この日のパートナーはM氏とO氏です。M氏はピオレドール賞を受賞されている,正真正銘のスーパークライマーです。
朝6時起床。朝食後,記念撮影を小屋の前にて。その後7時30分に出発しました。
パタゴニアとノース協賛のイベントです |
今回登ったライン。バットレス左凹角。全部で5Pでした。
1P目。やまおとこリード。リードを立候補したところ,快諾してくれました。あまり装備を持ってきておらず,終了点作成用のスリングがありませんでした。そこでメインロープで支点を構築しました。メインロープでの支点構築は知識としてはありましたが,現場では初めてで,かなりもたついてしまいました。
O氏は凹角,M氏はフェースから登ります。 |
草付きでのプロテクション設置について,M氏からご指摘を頂きました。立木には何重にもスリングを巻いて,すっぽ抜けないようにするようにとのことでした。ブッシュで終了点を作成する方法があるとのご指摘も頂きました。
終了点直下のO氏 |
2P目。M氏リード。核心ピッチにもかかわらず,「ザックは持つよ」と仰いました。カムを支点で使ってしまったので,10㎝スクリューで核心直下のプロテクションを設置していました。それで突っ込む勇気は自分にはありません。
M氏の装備を見ていて気がついてことは,すべてのギアにバックアップを取っていることです。何気ないようですが,ビレイ中もアックスのバックアップを取っていたり,ヘルメットからヘッドライトを落とさない工夫をしています。オーバーグローブにもバックアップを取っていました。人間はミスをする生き物なので,ミスをしないような工夫が大切です。
ビレイ中はすぐにビレイジャケットを着て,体温を維持するようにしていました。クライミングでベストパフォーマンスを発揮するために,体調管理についても常に気を遣います。
ヘルメットの工夫 首までガードできるヘルメット |
終了点で装備のバックアップを取る |
ビレイについてもパートナーの安全を最優先に考えています。ハーフロープ2本でビレイをするときもオートブロックがかかります。懸垂下降のバックアップも兼ねているディバイスです。冬期での使用は2シーズン目で,トラブルは無かったそうです。
クライミングテクノロジー 「アルパインアップ」 |
また,ショックアブソーバー付きクイックドローを携帯していました。クライミングロープへのこだわりもあります。このようにして,チームの安全を第一に考える姿勢が成功の秘訣なのかもしれません。
ペツル「アサップソーバー」 |
3P目。O氏リード。10数メートル伸ばして終了。4P目はやまおとこリード。
4P目。木登りや岩稜登りを経てテラスへ。 |
3回の懸垂下降を経て,16時20分に取り付きへ。N氏から昨日教わったことですが,支点がいくら頑丈に見えても必ずアグレッシブテストをするということです。懸垂下降でのミスは重大事故に繋がります。事実,昨日メンバーの一人が懸垂下降中に数十メートル落下して,骨折する事故がありました。
夜はスライドショー&ミーティングでした。来年度は特別な場合を除いて新しいメンバーを入れず,今のメンバーでさらに成長していくということになりました。
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