いま最も注目されているシューズといえば,Scarpa「Instinct VS」「Instinct VSR」「Drago」の三足でしょう。
今回はこの三足のレビューを行います。私の足の実寸は26.2㎝で,全てのシューズが39ハーフでジャストサイズ。
参考ということで,スカルパのサイズ換算表を載せておきます。
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スカルパ「ドラゴ」SIZE 39 1/2 |
まずは「Drago」から。ワールドカップのボルダー競技において,多くの世界のトップクライマーが履いているシューズ。
スポルティバ「パイソン」を遥かに凌ぎ,スリッパの足裏の良さはそのままに,トゥフック性能が秀逸。ヒールフックについては,くるぶし下部の皮部分のごわつき感が少しだけ残念かな…。
ジムであればボルダリング,アウトドアでは「石灰岩・チャート」など,滑りやすい岩場で威力を発揮できるでしょう。
この靴は大変足入れがよく,ハーフサイズ下げることも可能。しかし,Lost Arrowに電話で確認したところ,他のシューズと同サイズでいいとのことでした。
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スカルパ「インスティンクトVS」SIZE 39 1/2 |
続いて「Instinct VS」。購入した当初はビニール無しでは履けませんでした。Scarpa「Boostic」についても,慣れるまでは激痛に耐えなくてはなりません。
この靴はソールがとても固く,体重の重いクライマーに向いているでしょう。2年たってもダウントゥ構造が維持されています。
ソールの持ちも非常によく,耐久性の観点から考えてコストパフォーマンスは高いでしょう。ヒールのゴムが外れるケースあり。
ジムであればリードクライミング,アウトドアでは「花崗岩・凝灰岩」などで,エッジング性能が必要な場面で力を発揮します。
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スカルパ「インスティンクトVSR」SIZE 39 1/2 |
続いて「Instinct VSR」。購入した当初からビニール無しで履くことができました。
VSよりソールが柔らかく,体重60kg以下が望ましいと
海外のレビューにあります。
ジムであれば,リード・ボルダリング両方に使えるでしょう。アウトドアであれば,「石灰岩・チャート・砂岩」で威力を発揮します。
欠点としてはソールのゴムが薄い為,消耗が非常に激しいです。
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ラバーの段差で引っ掛けるヒールも可能。 |
三足ともヒール部分の構造は同じように見えます。どのシューズもヒールフックの性能は,他のシューズを遥かに凌ぎます。
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トゥラバーの面積がどれも広い。 |
トゥフックについても素晴らしい性能が期待できます。特に,ドラゴについては,現代的なジムクライミングの課題に最適でしょう。
アウトドアにおいては,エッジングならVS,スメッジングならVSR,スメアリングならドラゴといった使い分けが出来るでしょう。
ちなみに,私がこれまでに履いた,上記三足以外のスカルパのシューズは,「Feroce」「Boostic」「Instinct」の三足です。究極のエッジングを求めるときは「Boostic」を履いていますが,欠点はヒールフックとトゥフックの性能です。
これらのどのシューズも凌ぐ性能を持つ上記三足があれば,ジム・アウトドア,全ての場面で事足りるのではないでしょうか。